設立趣旨書
概要
日本腎代替療法医療専門職推進協会が目指すもの
慢性腎臓病(CKD)が進行し透析療法を余儀なくされている患者さんたちが全国に約35万人いらっしゃいます。さらにその97%という圧倒的多数の方々は施設で行う血液透析を受けています。末期腎不全に至り腎代替療法が必要となった場合、本来、血液透析のみならず腹膜透析や腎移植という3つの治療選択肢があるのですが、現在わが国では諸外国と比較して大きく血液透析に偏った傾向となっています。当然血液透析も重要な治療法ですが、それぞれの患者さんにとってよりよい選択もあるはずです。
また、大部分在宅で治療が行われる腹膜透析や腎移植は、患者さんのみならずわが国全体の医療にとっても望ましい方向性といえます。このような実状を少しでも改善し、患者、家族ひいては地域や社会にとってよりニーズに沿うかたちの医療推進を目指すことが当協会の主な目的です。
具体的な活動目標とは
患者さんが腎代替療法を開始または継続しているなかで、その方向性を支援し指導するのは医者のみならず、看護師、臨床工学技士、薬剤師、管理栄養士や移植コーディネーターなどの多職種の医療専門職で構成されるチーム医療です。
そして、その中核となって牽引しリーダーシップを発揮する人材は特に重要となります。日々臨床の現場で従事し、高い経験と知識を有する医療専門職も多数おられ、そういった方々に在宅医療、移植医療というわれわれが目指す方向性を推進する役割を担っていただきたいと願っています。そこで、当協会は「腎代替療法専門指導士」とい新たな資格制度を創設し、その認定、育成を最重要課題としています。
さらには近年問題となっている高齢化の中で、腎代替療法専門指導士には、透析見合わせも含め、人生の最終段階における意思決定支援も行える能力を兼ね備えることも目標としています。
令和3年4月吉日